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1.除振台の技術解説 はじめに
当社は長年、防振・防音の専門メーカーとしてその関連商品を提供してご愛顧いただいてまいりました。
Stable精密除振台は垂直方向はもちろんのこと、特に水平方向に優れた除振性能を発揮いたします。 これにより精密除振制御の分野でも高度なご要求にお応えすることができます。 Stableは、米国TechnicalManufacturingCorp.(TMC)の開発した水平除振機構内蔵の空気ばね式精密除振台で、25年以上の実績を有しております。 日本におきましても、発売以来多方面のお客様にご採用いただき、ご好評をいただいております。
このStableシリーズはテーブル形から光学、特殊用途にいたるすべてをとりそろえて、あらゆる除振ニーズにお応えすることができる態勢とし、より一層充実した使い易い製品になりま した。必ずや皆様方のご要求に十分お応えできるものと確信いたしております。
Stable除振台は、上下方向はもちろんのこと、特に水平方向の除振性能にすぐれた空気ばね式除振台ですが、その特長をご理解いただくために、従来の一般の空気ばね式除振台についてご説明します。
2.空気ばねによる除振
精密な機器に床の振動を伝えたくない場合、除振台を使用する必要があります。
一般に除振台は、空気ばねとそれによって支持される質量によって表されます。 この系によって、除振台上の振動と床の振動の比を振動伝達率と呼び、周波数特性をもっています。 すなわち、低い周波数に共振ピークがあり、さらに周波数が高くなると振動伝達率が1より小さくなる、すなわち除振効果が生じてきます。
この共振周波数が固有振動数と呼ばれ、除振台の性能の尺度となります。 すなわち固有振動数が低いほど、除振効果のある周波数領域が広くなり、振動伝達率の値が小さくなります。 この理由により、多くの高性能の除振台には固有振動数が1〜2Hzのダイアフラム形空気ばねが使用されています。 Stableも基本的にこのダイアフラム形空気ばねを利用しています。
そのほか空気ばねの利点として、補助タンクを設け空気ばねとタンクの間にオリフイスを入れることで、空気の粘性抵抗による減衰を得ることができます。 このことにより、固有振動数における共振ピークを低くすることができるとともに、外乱による支持荷重のゆれをすみやかに吸収することができます。
また自動高さ調整バルブを使用すれば、荷重の大きさにかかわらず一定の高さに荷重を支えることができます。 このように、空気ばね式除振台は様々な利点があり除振装置として理想的です。
しかし、以上の議論は上下方向のみを考慮していることに注意が必要です。水平方向も含めて考えると、全く別の問題が生じてきます。
3.水平方向の除振
以上は上下方向のみの振動についての議論でした。 ところが実際の除振台は剛体なので上下だけでなく水平方向、回転方向の合計6個の自由度を持っています。
そのため除振台は実際には6個の固有振動数を持っており、除振性能はそれらによって決定されます。
一般に床の水平方向の振動入力に対しては搭載盤の振動は水平方向の動きと回転が連成して2つの共振ピークが生じます。 このうちの高いほうの固有振動数は、一般的なダイアフラム形空気ばねでは、上下方向の固有振動数の数倍の値となることがしばしばです。 その固有振動数付近では、床に必ず含まれる振動成分により、除振台上の振動は大きく増幅され、上下方向の除振効果より、大きく劣ることになります。 このことは特に建物の上層階において深刻になります。
過去の除振の失敗例の多くは、上下方向のみを考慮し、他の方向を無視したために生じています。
このことにより、除振台は上下方向のみでなく水平方向の固有振動数も上下方向と同等に低くすることが必要なのです。
4.搭載盤の特性
除振台の搭載盤は単にその上に機器を載せる機能だけでなく、除振台の性能に大きな影響を持ちます。
ひとつには、慣性質量としての役割があります。搭載盤の質量が大きいほど除振台の固有振動数は低くなります。 また機器が加振源を含む場合、搭載盤の質量が大きいほど除振台に生ずる振幅は小さくなります。
また搭載盤の剛性が大変重要です。もし、構造的に弱い搭載盤に、固有振動数の低い空気ばねを取り付けても良い除振効果は得られません。 搭載盤は単にしっかりしたベースとしての静的剛性だけでなく、振動に対する動的な剛性が重要なためです。
搭載盤は実際は完全な剛体ではなく有限の大きさを持つ弾性体なので、ある周波数において共振を生じ、その周波数の振動入力があると搭載盤の振動は大きく増幅されます。 そのためにその共振周波数においては除振効果が低下することになります。 また、搭載盤上の機器のトランスのハムなどの加振カが搭載盤の共振周波数に一致すると、有害な振動を生ずることになります。
これを防ぐために、搭載盤には高い剛性と大きな減衰が必要になります。 剛性を上げることにより搭載盤の共振振動数を上げ、減衰を付与することで共振ピークを下げることができます。
Stableの搭載盤は特殊な積層構造になっており、高い剛性と大きな減衰を有しています。