免震ビル技術
地震の揺れを柔軟に吸収し、ビルのライフラインを守る免震ビル技術
耐震と免震の違い
建物を地震から守る方法として、「耐震」と「免震」という考え方があります。
免震の原理と「4秒免震」
免震構造は、積層ゴムの垂直方向には硬く、水平方向には柔らかい性質を利用して、地盤と建物を絶縁し、地震のエネルギーを建物に伝えないと言う考え方です。
地震がどのような周期成分をもっているかは正確に予測することはできませんが、免震構造の一次固有周期を4秒以上にすると、地震波の種類にかかわらず、建物の応答はほとんど一定になり、その応答レベルも小さくなります。表(1)では、4秒を境にして、揺れの強さが大きく抑えられていることがわかります。
この「4秒免震」を実現すれば、軟弱な地盤に建設された建物でも安定性を保つことができます。
4秒免震を実現する「RSL免震システム」
免震ビルの建築に当たっては、「RSL免震システム」が多く採用されています。
「RSL免震システム」とは、天然ゴム系積層ゴム(Rubber)、鋼材ダンパー(Steel)、鉛ダンパー(Lead)を組み合わせて使用する免震システムです。
各免震部材の役割
- ・積層ゴムアイソレータ:4秒免震により、地面の揺れを建物から切り離します。
- ・鉛ダンパー:中震度以下の揺れを吸収します。
- ・免震U型ダンパー・鋼棒ダンパー:大地震の揺れを素早く収束させます。
これらの相乗効果で、最大級の地震に対してもまったく安全に建物とその内部を守ることが可能になりました。
主な製品
天然ゴム系積層ゴムアイソレータ
建物荷重を支持し、地震時には水平方向に柔らかく変形することで、地震力の建物への伝達を軽減する役割を担う重要な製品です。
当社の積層ゴムアイソレータは、中心孔無しの増強構造となっています。中心孔が無い積層ゴムアイソレータは、軸が強く、高面圧でも優れた性能を発揮します。